映画『ニンフォマニアックVol.2』のネタバレあらすじ・考察【自分のことばっかでやんなっちゃうよ】

ニンフォマニアック vol.2

『ニンフォマニアックVol.2』は2013年に公開されたラース・フォン・トリアーの映画です。

240分の本編を半分に分け、同時に上映されました。

本作は、その後半部分です。(Vol.1の記事もございますので、よろしければどうぞ)
ニンフォマニアックvol.1映画『ニンフォマニアックVol.1』のネタバレあらすじ・徹底考察【欲望と搾取の狭間で】

前作が青年期のジョーがメインだったのに対し、本作は成人してから現在に至るまでを、語り手だったシャルロット・ゲンズブール本人が演じる造りとなっております。

後半で登場する人物では、ジョー、ジェロームの他に、ジョーの新たな可能性を引き出す”K”役を「フィルス」のジェイミー・ベルが、ジョーが働く組織の上司”L”を「フロリダ・プロジェクト」のウィレム・デフォーが、ジョーの運命を決定付ける”P”を「サスペリア(2018)」のミア・ゴスがそれぞれ演じました。

それでは、映画『ニンフォマニアックVol.2』の考察を、まずはあらすじよりご覧くださいませ。

映画『ニンフォマニアックVol.2』:あらすじ

突如として不感症になってしまったジョー。

何を試そうが性器の感覚は戻らず、絶望します。

それでも止むことのない欲望。

映画『ニンフォマニアックVol.2』第6章:サイレント・ダック

性感を失ったジョーは、安らぎや安定感を求めるようになっていました。

その頃ジェロームとの子を妊娠したジョー。

男の子を出産しますが全く母性が湧きません。

ジョーは幸福ではありませんでした。

性感が無くとも衝動は消えず、毎日ジェロームを襲うジョー。

ジェロームはついに白旗を挙げ、”他人に性欲を満たすのを手伝ってもらう”ことを提案します。

その辺の男を漁りまくっても満たされないジョーは3年後、とあるクラブにたどり着きました。

そこでは”K“というサドの男が馬用の鞭で女たちを叩いており、叩かれにくる会員はたくさんいます。

どうしても性感を回復させたいジョーは、息子をベビーシッターに預け夜ごとKの元を訪ね続けました。

やっと順番を得たジョーでしたが、初日は叩いてもらえません。

ことさらにKに固執するジョー。

ジョーも気付かぬうちに、ジョーのマゾヒスティックな欲望が開眼しようとしていました。

クリスマスの夜中、ジョーはシッターの予約が取れなかったにも関わらず、幼な子を一人きりにしてKの元へ。

偶然帰ってきたジェロームによって阻止されましたが、なんと息子はあと少しでベランダから転落するところでした。

この一件で二人は別れ、息子を連れてジェロームは出ていきます。

息子と天秤にかけた結果、ジョーは自分の欲望を選んだのです。

ジョーに悲しみはありませんでした。

翌日、またKの元を訪れたジョー。

縛られ鞭で叩かれるうちに、なんと3年間失っていた性感が戻ったのです。

映画『ニンフォマニアックVol.2』第7章:鏡

それから数年後、ジョーの身体は悲鳴をあげ始めます。

職場を転々としますがジョーの奔放な振る舞いは反感を買い、長くは続きません。

その頃、勧められた性依存症の自助会へ行ったジョー。

会の人々と話すうち、自分は欲望を恥じてもいなければ嫌になったこともなく、誇りすら持っていることに気付きました。

初めのうちは自慰を我慢してみたりもしましたが、開き直ったジョーは「私はニンフォマニアックよ」と高らかにニンフォマニアック宣言を宣誓します。

映画『ニンフォマニアックVol.2』第8章:銃

流れ流れて、ジョーはとある闇金業者に拾われます。

仕事が性に合っていたのかぐんぐん出世するジョー。

上司に「君の特性や経験を使って新しい事業を始めてみなさい」とまで言われました。

債権者を暴力や言葉で脅すのではなく、鞭打ちや言葉攻めで興奮させ”辱しめる”ことで手なずけるその方法は、ジョーのこれまでの経験がなせる技です。

稼ぎまくるジョーでしたが、ジョーもとうとう中年に。

ジョーの手法を若い人間に引き継がせたいと考えた上司は、恵まれない子供に目をつけ、その子に心情的に接近し、組織に取り込み、ジョーの手法を教え込み新たな即戦力にしようと企みます。

ジョーは言われた通り”P“という孤児に接近しました。

ジョーはかつての父のように、Pに木や草の話をしてみせ、共に暮らします。

ジョーの具合があまり良くなかったことも作用して、Pはジョーを憐れみ、”憐れみあう”ことで関係を築き始めた二人。

愛を知らないPはジョーに恋愛じみた感情を抱き、二人は関係を持ちました。

日々を過ごすうちにPは、自分が孤児で”落としやすい”からジョーが近寄ってきたのではないかと感づいてしまいます。

ジョーを問い詰めると、ジョーは正直に真相を吐きました。

Pは赦しますが、それが元で立場の逆転が起こります。

ジョーに反抗し始めるP。

ある日、債権者の家へ行くとなんと偶然そこはジェロームの家でした。

取り立てに入るP。

ジェロームと6回の返済計画を取り付けてきます。

ジェロームの最後の取り立ての日、いつもと様子が違うPを追ったジョー。

ジェロームの家で愛し合う二人を目撃してしまいます。

大変ショックを受けたジョーは銃を手に取り、再び二人の元へ。

するとその道すがら、大いに酔って笑いあう二人が目の前に現れました。

ジョーの目の前でキスをする二人。

ジョーはジェロームに銃を突きつけましたが、安全装置を引き忘れます。

ジェロームはジョーに侮蔑の目を向け、ジョーを殴り倒します。

地べたに横たわるジョーの前で二人はセックスに興じ、事後、Pはジョーに小便をかけ去っていきました。

こうして道に横たわるジョーを、セリグマンが発見したのでした。

ジョーの自分語りはここでお仕舞い。

朝を迎えようとしています。

「ゆっくり休むといい」とセリグマンは部屋を出ていき、ジョーもベッドに入ります。

しばらくすると、セリグマンが再び現れました。

下半身を露出し、挿入を試みますが失敗。

「大勢の男とヤッたくせに」

ジョーはしっかりと安全装置を引き、セリグマンを撃ち殺しました。

映画『ニンフォマニアックVol.2』考察:ジョーの受難とただの”男”

ジョーはPに対し、深い嫉妬を抱きます。

その姿はかつて嫌った母と瓜二つ。

母のようにソリティアをし、母のように冷たい人間になっていくジョー。

しかし自分の変化にジョーは気付いていません。

母は父に特別な感情を持つジョーに嫉妬していたのです。

それゆえジョーは両親の愛をまともに受けられずに成人してしまいました。

だから、愛を知らないのです。

最も、ジョーが愛に”興味がなかった”ことが現在のジョーを作り上げてしまいました。

自分と同じ孤独を持つPにさえも感情移入できない末期の枯渇状態のジョー。

彼女を救えるのはもう、これからの彼女だけでしょう。

一方セリグマンは、ジョーの理解者を装いながら、結局ただの頭でっかち童貞おじさんでした。

ジョーに人を見る目はありませんからね、”人を見ていない”から。

ジョーはセリグマンを”友人”と言いますが、本当はそんなこと思ってもいないはずです。

ジョーは友人とは何か、恋人とは何か、愛とは何かについて自身の尺度を一切持っていません。

ジョーにとって確かなのはセックスただそれだけ。

セリグマンにはそれがだった、ただそれだけ。

二人とも悪人じゃないのに、こんな悲しい結末あっていいものでしょうか。

ジョーはセリグマンを”撃つ”ことで、これまでの人生を肯定したかったのかもしれません。

映画『ニンフォマニアックVol.2』あらすじ・考察:まとめ

「4時間返せや!!!」と叫びたくなる、いや叫んでしまう本作『ニンフォマニアック』。

ラース監督はどこまで底意地が悪いんでしょうか。

セリグマンを咎める声が多いのですが、セリグマンは優しいおじさんじゃありませんか。

小便臭い謎の女を家に招いて一晩中話を聞いてやっただけでも聖人ですよ。

空気読めないだけです。

いやあ、疲れる映画ですが要は自分に正直に生きていけば案外幸せになれるかも、ってことで長々とやってきましたが以上!

映画『ニンフォマニアック』のあらすじと考察をお届けいたしました!では!

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