映画『ゴーストランドの惨劇』ネタバレあらすじ・考察を徹底解説!

『ゴーストランドの惨劇』は2018年にカナダ・フランスで製作されたホラー映画です。

監督は「マーターズ」でカルト的人気を博したパスカル・ロジェ。

極めて残忍なスプラッター描写を得意とするロジェ。

本作も衝撃的なシーンの連続ですので、グロ耐性の無い方にはオススメできません。

また、よく練られた脚本も圧巻ですがPTSD(心的外傷後ストレス障害)についてとてもリアリティをもって描かれていますので、自己責任でご覧ください。

コメディ要素を一切排除したホラー作品である本作。

ホラーマニアの筆者も久々に震え上がった『ゴーストランドの惨劇』について、早速考察してまいります。

『ゴーストランドの惨劇』物語のはじまり

ポリーンとその娘のヴェラとベス三人は、亡くなった祖母の家に引っ越すために車で田舎道を走っていました。

快活な姉のヴェラは、ホラー小説が大好きな妹のべスをからかいます。

この日もヴェラとポリーンは喧嘩して、三人は別々の部屋で作業をします。
その時家の前に、キャンディの絵が描かれたトラックが止まりました。

そのトラックから大男と筋肉質な女の不気味な二人が降りてきて、突如ポリーンたちのいる家に押し入ってきたのです。

べスの世界

地獄のなかから這い上がるように泣きながら飛び起きたべス。

べスは夢を見ていたのでした。

パニック状態のべスを抱きしめて落ち着かせようとする夫。

べスは過去のトラウマと戦いながら、大人になっていました。

やさしい夫と幼い息子を持ち、夢を叶えホラー小説家になっていました。

自らのおぞましい体験をもとに書いた新著の『ゴーストランドの惨劇』が話題となり、テレビでインタビューされるまでになっています。

ある夜、べスがピエロの格好のまま遊び疲れて眠る息子を膝に抱きながら夫とくつろいでいると、数年ぶりに姉のヴェラから電話がかかってきました。

半狂乱のヴェラの様子を心配したべスは、数年ぶりにあの家に帰る決意をします。

事件後も、あの家でポリーンとヴェラは二人で暮らしていました。

家に着くと、相変わらず完璧なメイクを施したポリーンが大げさにべスを迎えます。

事件のせいで精神を病み気が狂ってしまったヴェラは地下室に籠っていました。

べスとポリーンが夕食の準備をしていると、地下から錯乱したヴェラの金切り声が。

ポリーンは慣れた様子で地下に向かいます。

べスが恐る恐るポリーンに付いて行くと、ボロボロの服を着て泣き叫び暴れまわるヴェラがいました。

常軌を逸したヴェラの様子に、べスは言葉を失います。

ヴェラを落ち着かせ、疲れ果ててビールを飲むポリーンに寄り添いながらべスは涙を流しました。

ポリーンの顔にもまた、事件で負った傷がくっきりと残っています。

疲れ果てソファで眠ってしまったポリーンに毛布をかけるべス。

テレビには自分のインタビュー映像が流れていました。

夜中に目を覚ましたべスがキッチンに行くと、家の様子が何かおかしいと感じます。

鏡には口紅で書かれた身に覚えのない「HELP ME」の文字。

人の気配を感じたべスは恐る恐る家のなかを歩き回ります。

すると白塗りの化粧を施されたヴェラがベッドに縛られていました。

ヴェラは見えない何者かに殴られたり蹴られたりされているかのように暴れまわります。

完全に気がふれてしまった様子のヴェラを前にべスはただ立ちつくしていました。

疲れ果てたべスは椅子に座ったまま眠ってしまいました。

ヴェラの世界

次にべスが目を覚ますと、なぜか下着姿でひどい傷を負ってソファに横になっていました。

べスはパニックになりながら必死で地下に降りていきます。

ヴェラもひどい傷を負っていますがかろうじて無事でした。

「ママは殺されたのよ」

とヴェラが言ったそのとき、べスは犯人の女に目の前でめった刺しにされ首を掻き切られて息絶えるポリーンの姿を思い出します。

パニックを起こし泣き叫ぶべスにヴェラは言いました。

「戻ってきたのね」

放心状態のべスの見た目は、事件の夜の幼い少女に戻っています。

実際には事件の夜からそう何日もたっていませんでした。

「あなたはずっとあれに向かって話しかけていたのよ」とヴェラが指をさした先には男性の絵とピエロの格好をした子供の絵、そして”HELP ME”と書かれた鏡があります。

べスはあの事件のあとヴェラと共に地下室で軟禁され、拷問を受けていました。

夫や子供、本の出版、大人になった自分の姿などは全てべスの妄想だったのです。

自分を幸せな妄想の世界から地獄の現実へ引き戻したヴェラを、べスはひどくなじります。

事件前はべスに対して怒りを覚えていたヴェラでしたが、惨劇のなかで妹を守ろうと必死に戦ってくれていました。

姉妹がひとときの再会を祝っていると、足音が。

するとヴェラはひどく怯え、べスをロッカーの中に隠します。

べスはあっけなく見つかり、上の部屋へ連れていかれてしまいました。

無数の気味の悪い人形が並べられた部屋で、べスは人形たちと同じような洋服を着せられ白塗りのメイクを施され、人形のように並べられます。

すると大男が入ってきてべスの目の前で人形を燃やし始めました。

次はおまえだと言わんばかりにべスをひょいと逆さ吊りにする大男。

隙をついて大男の肩をナイフで刺し、べスは逃げ出します。

いくつもの偶然が重なり、べスとヴェラは家の外へ逃げ出しました。

森のなかを裸足で全速力で走る二人。

夜の間中走り続け、やっと道路までたどり着くとパトカーが。

パニック状態のふたりをなだめる警官でしたが、後ろから追ってきた犯人の女によって撃たれて死んでしまいました。

ふたりが生きていく世界

気が付くとベスはまた妄想のなかで大人になり、本の出版記念パーティーの最中です。

ふと奥の部屋に目をやると、泣き叫ぶヴェラの姿が。

部屋へ向かうべスは「あの子のいる世界は醜いけれど本当に行くの?」とポリーンに呼び止められます。

「お姉ちゃんだから」とべスは部屋へ走り寄りました。

部屋に入ると同時にべスは正気に戻ります。

二人は犯人たちに連れ戻され暴行されていました。

二人はあきらめることなく抵抗します。

もみ合うなか、応援に駆け付けた警官によって犯人たちは撃ち殺されました。

救急の担架に乗せられた二人は目を合わせ「I Love You」とつぶやきます。

べスはしっかりとしたまなざしでこの事件について本を書こうと決意するのでした。

『ゴーストランドの惨劇』のディティールの細かさ

いかがでしたでしょうか。

タイトル通りの惨劇が繰り広げられる本作ですが、そのディティールの細かさが魅力のひとつです。

目の前で母親を殺されたことで多重人格障害(解離性健忘)状態になるべスの描写は圧巻ですが、それだけでなく犯人の大男の不安定な精神状態もしっかりと描かれています。

大男と女(に見えていた人物)の依存関係まできちんと描かれていて感動すら覚えました。

警官が射殺されてしまうシーンでの映像遊びによるミスリードには、もう「こんなことまですんのかい」とツッコミを入れてしまいました。

ラストシーンにも思わず笑ってしまうことでしょう。

かなりリアリティのある造りによって観る人を選んでしまう本作ですが、メンタルに自信のある方は是非ご覧になってみてほしい傑作です。

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